2006年01月10日 ハラハラドキドキな名曲。
:「つり橋効果」というものがあります。
:これは、人が危機的状況に置かれた際、「不安から来るドキドキ感」を「恋愛のドキドキ感」だと勘違いし、近くにいる異性に好意を抱いてしまうという現象を指した、心理学の用語です。
:ここに、「つぼみ」という歌があります。今・・・、いやちょっと前をときめいた大泉洋氏も所属する、北海道の演劇集団「TEAM NACS」のリーダー・森崎博之氏の手による歌。作詞・作曲を彼が担当し、歌唱は彼自身と「水曜どうでしょう」の"ミスター"こと、鈴井貴之氏が担当するスローナンバーです。
:この歌、実に危うい。何が危ういかって、2人のお世辞にも上手くない歌が「歌」と「コント」の合間を行ったり来たりしていて、実に危なっかしい。しかしそれでいて、この歌は泣けるのです。最初に聴いたときから、グッと来る。何故だろうと考えたときに、「つり橋効果」を思い出したのです。
:声が出ておらず、時折震える2人の歌唱。聴いてるこっちが恥ずかしい2番サビの歌詞。すごく真面目な歌なのに、すごく切ない歌なのに、どこかでコミックソングに切り替わるんじゃないかと、ハラハラして聴いてしまうのです。その心理操作が、この歌をさらなる名曲に仕立てているのではないでしょうか。計算ずくなら、森崎リーダーは実に巧妙です。
:ま、実際はそんなことない訳で(台無し)。誰か別の人がこの歌を歌っていたならなぁと、少々残念に思いながら聴いてます。でもホント、良い歌ですよ。