IHANOYA DIARY

2005年01月29日 しばらく歌は要らない。

:槇原さんのファンクラブ「smile dog」の会報が届きまして、僕のには更新の書類が入っていたのですが、今回はついに更新しないことに決めました。
:大学を出てから、「音楽」というものの僕の中での存在意義が変わってきています。いや、変わってきているというより、その位置を下げている感じがします。僕にとって大学時代というのは、何度か書いてますが非常に「多感な時期」でして、酸いも甘いも色々あった訳です。そんな時に出会った槇原さんやKANさんや大江千里さんの音楽というのは、まさに当時の僕の悶々とした思いを代弁してくれる存在でした。歌を聴けば、僕自身がその歌の中にあったし、歌が語ってくれることに僕は大いに励まされ、また慰められてきたように思います。
:大学を出て、当時一緒にいた女の子とも別れたときに、僕の中で一つの大きな区切りがあったように思います。変わり映えの無い日々の中で、心は常に内面に向かいます。しかしそこにあるのは、ただ平静に、少しずつ(本当の意味での)大人に近づきつつあるわが身を見つめる気持ちのみです。あの頃のように自分以外の誰かに心乱されることもなく、ただひたすら、昨日の自分・今日の自分を思い巡らせながら日々を暮らす姿勢が身についてしまいました。そこではもう、歌は意味を成さず、そこに描かれている出来事は非現実的なことにしか聞こえません。数年前、その中に自分がいたことが、今は不思議でならない気持ちです。
:以前、自分が成長するためにも、誰か大切にしたい人を見つけないと…と書いてましたが、こういった理由もあるんです。歌に心動かされ、季節の変わり目にあんなに敏感になってた頃が、もう全く嘘のように感じられるのです。1人でいるのが一番幸せという状態で、仕事以外に予定の無いカレンダーが釣られた部屋の中にいて、僕はもうめっきり音楽を聞かなくなりました。仕事中にBGMとしての音楽は聴きますが、そこにもう言葉はなくていいのです。
:そうして年を重ねて、本当の意味での大人になっていけるかと言えば、それは分かりません。だから本当は、ファンクラブを退会したことを後悔する日がきて欲しいんですよね。

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