IHANOYA DIARY

2004年12月09日 切なさの再認識。

:今日ウチでアルバイトの面接がありましてね、22歳の男の子が受けに来たんですが、技術不足とプレゼン力不足で不採用となりました。
:FLASHの使える人が欲しいんですね。それも「結構」使える人が。何せこの年末から春にかけて、とにかく忙しくなるんです。去年は二人プラスアルファでなんとかやれましたが、今年は去年の比じゃない。どの依頼でも、トップにFLASHムービーを付けるのが当たり前みたいになってきてるし、大きな代理店は複数の部署が依頼を下さってる状態で、おかげさまで会社は去年より成長しているんですよ。
:そんな状況では、アルバイトとはいえ、こちらが教えている暇はない訳です。なんなら、一本のムービーくらいお任せしちゃって、こっちは出来上がったの見ながら「いいねぇ」って言うだけだったらいいなぁと思うくらいです。だから、中途半端な人は取りたくないんですよ。特に(FLASH)現場の人間としては切実に。ということで、社長と、仕事の区切りが良かった僕が現場担当として面接をしました。
:今日来てくれた男の子は、22歳とは言え、システム関連の会社さんで社員として働いているとのことでした。ただ、今年の春に入社したものの、どうも仕事のやり方が気に入らない、だから辞めたいということでした。まぁ、それは良いでしょう。それぞれに事情があります。
:問題は、自作の作品として見せてくれたサンプルがあまりにも少ないということです。スクリプトで構築したごく簡単なゲームと、短いイメージムービー。サイト一本作ったようなのは全く無い。働いているから仕方がない面もあるでしょうが、これではどんなデザインセンスがあるのか、何が出来るのか、さっぱり分かりませんでした…。話を聞くと、2年ほどのFLASH経験があるそうなのですが、あまりそうも見えない。
:結局、社長が珍しく中盤で採用しないことを明言。後は二人しての慰め&励ましトークみたいになってしまいました…。本当にこういう仕事をしたいなら、こういう事をしていったほうが良い、君はまだ若いんだし、チャンスはある…みたいなことを延々と。(苦笑)
:男の子が帰ったあと、なんだか社長と二人して「切ないね…」と言っていました。一年前なら、あるいは彼の採用もあったかもしれません。でもその間にウチには「FLASHも出来てデザインも上手い」人材と、「FLASHも出来てCGIも出来る」人材が入りました。僕だって、自分の立場を案じているくらいなんです。(笑) 会社としての技術レベルは急激に上がってきている。それを再確認してハッとした、というのが社長にしても僕にしても、本音のところだったかもしれません。向こうはウチに入りたい、こっちも人となりは悪くないと見ている。でもその間にとてもシビアなものが横たわっている。これから何回も、こういう切なさを感じながら、わが身を省みて仕事をしていかなくちゃならないんでしょうね。

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