ミシシッピニオイガメの「あずき」

前回の続き。

水カビは三匹とも数日で消えたものの、末っ子のあずきだけは食欲不振の症状が残ったままでした。

これまでも気分が乗らないときはエサを食べないことがあったし、何よりも水カビ治療のストレスが大きかったのだろう、僕らはそう考えていました。水カビが見えなくなったあとも念のため治療は続けてましたし、あずきも常に警戒している素振りを見せていたんです。

異変があったのは7月6日。仕事から帰った奥さんが、あずきが口から何やら白いものを出しているのに気が付きました。

ミシシッピニオイガメの「あずき」

脱皮の皮膚のような薄い膜ではなく、ペースト状というか、きしめん風というか、見たことのないものです。はじめは胃の中のものを吐いたのかと考えましたが、そもそもこんな白いエサや薬は与えていません。吐しゃ物はすでに水槽の底にいくつか落ちており、つなげると3cm近くになりそうでした。

奥さんから報告を受けた際、僕は仕事の真っ最中。ひとまず、以前からリストアップしていた動物病院へ電話するようにと奥さんにお願いしました。その内の一軒の看護師さんが、奥さんが泣きながら話すのを親身に聞いてくれたそうです。僕は慌てて仕事を切り上げ、奥さんとあずきを乗せてその病院へと車を走らせました。

診断結果は「典型的なマウスロット(口内炎)」でした。口内炎というと、人間なら舌や唇の一部が炎症するだけですが、亀の場合は炎症の影響が口内に広がり、エサを食べられなくなるそうです。吐しゃ物はだそうで、細菌の種類を特定するべく精密検査に回されました。結果が出るまでは10日ほど掛かるとのこと。

この日は抗生物質と口内の消毒液、そしてエサ代わりの栄養剤を処方されました。薬は一日三回、栄養剤についてはできる限り何度も飲ませることになります。獣医が言うには、「細菌と闘うこの子に、抗生物質という武器は渡せる。でも、その武器を使うための体力があるかどうかはこの子次第。エサを食べられず、なかなか体力が戻らない状況ですが、この子を信じて頑張っていきましょう」とのことでした。

深刻な診断に、僕らは動揺しました。そして、診察されるあずきの悲痛な姿に、奥さんは涙が止まりませんでした。

長くなりましたので、この続きはまた次回にします。

 

▼ マウスロットは爬虫類特有の症状とのこと

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