どんちゃんのお見送り。

我が家のミシシッピニオイガメとエキゾチックショートヘア

どんちゃんが亡くなって二週間。

初めの頃は、それまで毎日続けていた水換えや強制給餌の習慣が抜けず、もう必要ないんだと思い出すたび言い知れぬ脱力感に襲われていました。今週になってどんちゃんが元気だった頃の生活リズムに戻ってきましたが、そこに「元気などんちゃん」がいない喪失感は相変わらず大きいです。

我が家のミシシッピニオイガメ

昔の思い出を語るのはまだちょっとシンドいので、どんちゃんが亡くなって以降のことを書きましょう。お見送りについて、です。

亀たちが亡くなったときに、その亡骸(なきがら)をどうするかは何年か前にぼんやりと考えたことがありました。

埋葬するにしてもウチはマンションで庭がありません。近場に埋められるような土地もないですが、そもそも手放したくないんです。一緒に暮らしてきたんだから、ずっと我が家にいてほしい。

ミシシッピニオイガメの「よもぎ」

よもぎ

シェルターと同じ植木鉢に埋めて、何か花を植えるのはどうだろうと考えました。それを「どんちゃんの花」なんて呼んで、成長を楽しみにすれば、少しは心も休まるんじゃないかと。

でもこうして現実の事となると、なかなか難しいんですよね。ベランダに置くとしても臭いが出るだろうし、土の入れ替えも必要になるだろうし。

となると、火葬しか思いつきませんでした。

ミシシッピニオイガメの「よもぎ」

よもぎ

どんちゃんの息がないと判断したあとは、亡骸をきれいなままお見送りできるように、すみやかに行動しなくちゃいけません。亀の場合は冷凍庫に入れておけば時間を稼げるとのことでしたが、いくら亡骸とは言え凍らせるのは踏ん切りがつかず。そこでどんちゃんを入れたタブトラッグスに氷などを詰め、冷暗所で一晩を過ごしてもらうことにしました。

そこから夫婦で業者を検索。条件は出張で来てくれて、お骨を手元に返してくれて、葬儀など宗教的なセレモニーがないこと。どんちゃんは儀式ではなく、僕らの気持ちでお見送りしたかったんです。結果、翌日の夕方に来ていただける運びになりました。

エキゾチックショートヘアの「ごまめ」

ごまめ

火葬の際に手紙やお花、餌なども添えられえるとのことでしたけど、餌だけにしました。手紙を書ける精神状態でもないし、どんちゃん読めないしなぁと。どんちゃんとお花という組み合わせもピンと来なくて、本人も当惑するだろうなぁと。伝えたい気持ちはずっと心の中にあるので、大げさにしたくなかったんです。

エサはレプトミンと乾燥エビ・甘えび・ササミにしました。いつものご飯とごちそうフルコースです。初めて食べたごちそうの鶏レバーも入れてあげたかったけど、包んだ時に血が滲むので良くないとのことでした。

ミシシッピニオイガメの「あずき」

あずき

火葬業者さんが来る直前にどんちゃんを外に出し、夫婦で交互に抱っこしました。ありがとう、ごめんねと伝えながら、甲羅を撫でました。昔はキールが尖ってカッコよかったけれど、大人になってお多福のような末広がりのこんもりした甲羅になったんです。感触が大好きだった。手に記憶させようと何度も何度も撫でました。

それから、きょうだいたちとの最後のお別れ。どんちゃんの亡骸を前にして、よもぎはやっぱりエサくれに一生懸命だったけど、あずきは何か考えながらじっと見てました。

ミシシッピニオイガメの「あずき」

あずき

どんちゃんのお骨はとてもきれいに焼け残ってくれて、甲羅や指なども見て分かるほどでした。火葬のスタッフさんによると、小さい生き物がここまで綺麗に残るのはまれなことだそうです。丁寧な説明を聞きながら、一つまた一つと時間をかけて骨壺にお骨を収めていきました。頭もしっかり形が残っていて、奥さんが「頭がすごく大きい子だったから……」と言うと、スタッフさんも優しく笑っておられました。

こうして、どんちゃんは我が家に帰ってきました。

最近は毎朝どんちゃんの祭壇に飲み水を供え、下の二匹と同じく朝食にはレプトミン、隔日で夕食に乾燥エビをあげるのが新しい習慣になりました。寝る前には、闘病中と同じように「おやすみどんちゃん、また明日も元気でね」と声を掛けています。元々どんちゃんがそれほど存在を主張する子でもなかったせいで、我が家には変わらず三匹の亀がいると錯覚することもあります。そんなどっちつかずの気持ちで日々を消化しながら、どんちゃんの不在に慣れていくしかないんでしょうね。

 

 

記事データ

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コメント

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“どんちゃんのお見送り。” への8件のフィードバック

  1. おこめ より:

    先週の記事を拝読して以降、私もどこか寂しさを感じていたのですがお二人やきょうだいたちの心がこもったお見送りの様子を伝えていただき心が温まりました。

    忙しい日常の中でふと我が家のマイペースな亀たちの姿を眺めると、それぞれにペースがあって焦っても仕方が無いなぁ…なんて気付かされます。
    お力落としのことと存じますがどうぞIHANOYAさんのペースでお過ごしくださいね。

    • IHANOYA より:

      おこめさん、ありがとうございます。

      はじめは多頭飼いが不安でしたけど、誰かが元気ないときは他のきょうだいが癒してくれて、救われることが多くありました。

      めいめいに自己主張して、わがままを言ってきますが、どんちゃんのことが落ち着いてきたからには、以前のようにまたみんなのわがままを聞いてあげようと思います。

  2. すみこ より:

    こんにちは。
    IHANOYAさんならきっと、おはぎさんに寂しい思いをさせないように、側に置かれるだろうなぁと何と無く思っていました。

    皆んなと一緒で良かったね、おはぎさん。
    これからも、IHANOYAさん家族を守ってあげて下さいね。

    • IHANOYA より:

      僕はペンダントにもお骨を入れて出かけるときも連れていきたいと思ったんですけど、奥さんから「どんちゃんはお外に出るの嫌いだったから……」と言われ、これからもきょうだいたちと一緒にお留守番してもらうことになりました。

      それでも、出先では今まで以上にそばにいてくれる気もします。

      • すみこ より:

        お気持ちわかります。
        私もミシニのシルエットとモジーの名前入りのトートバッグやキーホルダーなど、モジーブランドのグッズを持ち歩くのは、いつも側にいてくれる気がするからなので。

        実はウチのコもお外が苦手です。
        日向ぼっこをさせるのに縁側に腰掛けて膝に乗せていたら、萎縮して、車が通る度にパニックで、私のお腹に隠れています(笑)
        特に車に乗るのは大の苦手で、引っ越しの時は不憫になるくらい何度も大パニック。
        肺炎を疑った時に病院に連れて行けなかった理由もここにありました(^_^;)
        今後の為に何か手を考えないといけないなぁと思っております。

        • IHANOYA より:

          そうですね、我が家の中でお出かけできそうなのはよもぎくらいでしょうか。あずきも繊細なところがあるし、猫も場所見知りが激しい生き物なんです。
          その代わり三亀+猫トートはしっかり出先に持って行ってますので、これからも色々なところを一緒に歩けたらと思いますね。

          お腹に隠れるモジーさん、かわいいですね。どんちゃんも車が苦手だったみたいで、移動中はプラケースの中でよく暴れていました。病院に行ってしまえば、今度はまったく動かなくなるんですけど、それはそれで心配で……。

          犬猫は病院の数も多いし選択肢も色々あるんですけど、爬虫類は本当に選択の余地がないので、その都度その都度難しい判断を迫られるなぁと実感しています。

  3. 後藤弥生 より:

    少しは落ち着いて来られたでしょうか。。。

    私はどんちゃんの事を知ってから、悲しくて仕方なく、何度もブログを読み返し、又写真を見ては泣きそうになります。。
    あまりにも突然で、本当に、どんちゃんには今まで幾度となく癒やされてそしてうちののんのお手本にさせて頂いていました。
    どうかどうか安らかに、ゆっくりと。

    • IHANOYA より:

      ありがとうございます。
      一か月が経ちましたが、正直まだ立ち直れたとは言えず、ペットロスの中にいます。僕らにとってもあまりに突然のことで、今の状況にまだ馴染めないです。
      あれだけどんちゃんに助けられたのに、僕らは助けてあげられなかった。毎日ごめんねと語り掛けています。
      いつかまた、どんちゃんに会いたいですね。

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